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加工とコストのバランスについて

素敵なパッケージを見ると気持ちがわくわくしたり、
欲しいなと感じるということは誰にでもあることだと思います。

金色や銀色などの箔押し、凹凸をつけるエンボス加工、特殊紙への印刷、
メタリックやネオン系カラーなどの特色、手触り感をプラスするUV印刷など・・・
手法はさまざまですが、多くの人にあっと思わせる特殊な印刷手法は数多くあり、
珍しい手法が使われたパッケージは私も街で見つけると嬉しくなります。

ですがこのような加工をプラスしていくほど印刷コストが上がり、
印刷コストはそのまま商品代金に添加され、消費者の負担となります。

消費者にそれを負担してもらうだけの価値があるのか、
作り手の自己満足になっていないか、確認しながら制作をすすめるべきだと常日頃から感じています。

以前ノース白山の「食べる糀甘酒」のパッケージをデザインしたときのこと
ヒアリングをする中で「定期的に大量に購入し、毎日食べているお客様が多くいらっしゃる」とお伺いをしていたため
このパッケージはコストをできるだけ下げる必要があると判断しました。
過剰なパッケージにすると初見のお客様の「パッと目を引く」という効果を得ることができても
既存のリピーターにはメリットが少ないと感じたためです。

印刷コストを下げるためには「多く制作する」というポイントがあります。
この「食べる糀甘酒」には小、中、大、スタンドパウチと4種類のサイズ展開があったため
すべてのサイズで綺麗に見えるラベルサイズにこだりました。
同じラベルを共有することで、生産部数を増やし1枚あたりのコストを下げています。

また、糀の文字の由来となる花形の中にバランスよく文字を配置することによって、
コストを下げながら「ギフトにもらっても可愛くてうれしい」デザインをこころがけています。
リピーターに思いやりのあるパッケージは商品が長く愛されるためにとても必要なことだと考えています。